「ことわっは」な世界

教授:本日は、「ことわざで見る現代究」をしてみたい。ことわざは、「言葉の技」でもあり、今日をピシッと言い当てるのだから「今日訓」とも呼べる。奥が深い。

では、「今日訓」づくりに取り組もうと思う。簡単につくり方を学んでみる。


 電車に乗れば、こういうポスターが掲げてあると思う。

 

◆座席はゆずりあって座りましょう

 

 ところが、現実には、お年寄りが立って、若者が足を広げて座っている場合がある。いけないな。しかし、いくら怒りや嘆きをぶつけても通用しない世の中でもある。だから、「言葉の技」を発揮する必要があるのだな。たとえば、

 

◆座席はゆすりあって座りましょう

 

に変えておけばどうだ。お年寄りを前にのうのうとしているのはそういうことをする奴等なんだという示しになる。

◆義を見てせざるは勇なきなり

 やらなければならない事を知りながらやらないのは、勇気がない、ということわざだな。 以前、あるタレントが、

 

◆義を見てせざるは夕焼け小焼け

 

と変えて、笑いをとったらしい。義を見てせざるはの後の勇と 夕のカケコトバ。でも、これは単なる駄洒落に過ぎない。やらなければならない事を知りながら、夕焼け子焼けでは意味がつながらないからだ。私なら、こうする。

 

◆義を見てせざるは言うだけなり

 

 どうだ。「勇と言う」のカケコトバに終わらず、やらなければならない事を知りながら、やらないのは言うだけ(口 だけ)、とちゃんと意味になる。これが、「言技」だ。

 

同じ言葉が、視点を変えるだけで異なる意味になる。

 

◆ヒトの嫌がる事は進んでやれ

 

 ヒトの嫌がる事ほど進んでやりなさい、という教えは道徳である。が、「どうしてお前は、いつもいつも、ひとが嫌がる事 ばかりをするのだ」となれば、嫌がらせとなり、意味が逆転す る。これも現在の一部を切り取っている。これを左右対笑の笑いと呼ぶ。

 

一字転漢の笑い

 

◆親はなくとも子は育つ

 

「なく」を「無く」の漢字にすれば、人間万事、心配するこ とはないとの昔人の教えだが、「泣く」に変えれば、「結婚前にと親は泣くが、お腹の中では子供がすくすく育っている」という娘さんが増えており、心配だ、という極めて今 日的光景を写し出す。

 

◆他人のふり見て我がふり直せ

 

    振り  不利

 

他人が不利な状態に陥っているのを見て、ああすれば駄目なんだと実感し、自分の振りを直すという現在の教訓

 

◆四面楚歌の「ソカ」を逆転させれば ◆四面過疎

 

たとえ、敵でも周囲に人がいる方が四面過疎よりも賑やかでまだましだ、の意味になる。

 

◆セシャルハラスメント

 

    という社会問題も

 

◆セクシャルバラスメント

 

    にした方が通り良い。

 

 潤滑油になればと「今日はきれいだね」といった言葉の裏をとられ、「それセクハラ。社内にバラしますよ」と凄まれたりする。少し行き過ぎの面もあり、問題である

 

ここからは、応用編。

近頃は、女性も積極的になったな。

ことわざを並べてみる


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