笑える程の不況。リストラで職をなくし家に帰れば、「借金王が戻ってきた」と言われる人もいるそうな。笑えない。が、私は言いたい。「あなたは、恵まれています」と。なぜなら、家族との間に“会話”があるから。“無視の域”にまで達していない。羨ましい。


水戸の隠居じゃ

角さん、助さん、こらしめておやり。

それではてぬるい。とことん、やりなされ。

ご隠居、これは行き過ぎではござりませぬか。

これでは、副将軍の名に傷がつきます。

もう、おやめください。

な~に、構わぬことよ。水戸黄門ならいざしらず、

私は水戸拷問、これでよいのだ

 


吉宗じゃ

吉宗殿、なんです、奥方にベタベタのご様子は。

それじゃ、子供と同じじゃござりませぬか。爺は、情けのうございます。

テレビのようにスカ ッとカッコよく、まいりませぬか。

なに、あの暴れん坊将軍のようにせ よ、というのか。余は、暴力は嫌いじゃ。

このまま、おなごの胸に抱かれ

いつまでも甘えん坊将軍でいたいのじゃ。

 


遠山じゃ

遠山 「オイ、オイ、オイ この桜吹雪が目に入らねええか」

一同 「 アッ!」

遠山(フッフッフッ驚いていやがる)

一同 (ザワザワ)

「よーく似てはいるが、この前のキンコーとはど か違う」

遠山 (ドキッ!)

「キンさんとはうり二つのつもりだが見破られたとは片腹痛い」

一同 「じゃ、いったいテメエは何者?」

遠山 「拙者か。キンさんとは双子の遠山のギンさんよ」

 


狂四朗じゃ

「あ、狂四郎だ」

とり囲まれた狂四郎は、月を背に円を描くように刀を回し始める。

ご存じ、円月殺法である。

刀が頭上から円弧を描き頬の近くに来た時、狂四郎は瞬間、手の動きを止めた。

そして、ペロッと刀をなめた。

「 どうした、刀をなめるとは、眠 狂四郎のやることか」

「なに、眠 狂四郎とな。拙者は ねぶり狂四郎だが」

 


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